花粉症目薬

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花粉症の目薬はどう選ぶ? 目の症状や原因、目薬の成分などから考える

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更新日

 
執筆:佐藤 孝弘 (医薬品開発、薬剤師)
 
 
花粉症の不快な症状として、目の充血、かゆみ、涙目等がありますが、どのように対処をすればいいのでしょうか?
 
この記事では、花粉症の概要を説明し、続いて目の症状の原因等を踏まえて 花粉症の目薬 の選び方等について詳しく説明いたします。
 
 

花粉症とは

 
花粉症とは、スギ、ヒノキ、クリ、シラカンバ、コナラ等(冬~春)、オオアワガエリ、カモガヤ等イネ科の植物、ブタクサ等のキク科の植物(夏~秋)の花粉により、アレルギー症状が起こる病気です。
 
アレルギーを起こす花粉を放出する植物は、わが国には50~60種類程度あると言われています。
 
アレルギー症状の内容としては、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙目、目の充血、かゆみ(皮膚、喉)などです。
 
また、口の中に痒みを感じる(口腔アレルギー症候群)場合もあります。
 
花粉症の患者数の正確な数値はわかっていませんが、2008年に実施された全国の耳鼻咽喉科医とその家族に対する調査では、花粉症患者は、全体の29.8%という結果でした。(馬場廣太郎、中江公裕:鼻アレルギーの全国疫学調査2008)
 
戦後に植樹されたスギの成長と温暖化の影響で、花粉産出量が増え、これが原因となって、花粉症患者数が増加していると推測されています。また以前は、30~40代の患者数が多かったのですが、最近では10代や10代以下といった低年齢層の患者も増えています。
 
花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎と呼ばれ、アレルギーを起こす原因であるアレルゲンが、通年で存在する、通年性アレルギー鼻炎とは区別されています。
 
症状としては、風邪、慢性副鼻腔炎※と似ているため、適切な治療を受けるには、医師による診断・判定が必要となります。
 
※編集部注:慢性の副鼻腔炎とも呼ばれる蓄膿症と頭痛の関係について説明した蓄膿症頭痛.topもご一読いただけると幸いです。
 
花粉症は、花粉が体内に入ってきたときに起こる免疫反応によって生じます。
 
大まかには、以下のようなメカニズムになります。
 

・花粉が鼻粘膜に付着 ⇒ 体内に抗体生成と肥満細胞と結合 ⇒ 再び花粉が侵入 ⇒ ヒスタミン等のアレルギー誘発物質を放出 ⇒ アレルギー誘発物質が受容体と結合
 
⇒ 鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を起こす

 
花粉症発症の原因として、遺伝的体質が指摘されていますが、その他食生活の変化、ストレス、生活習慣(睡眠不足、喫煙等)等免疫機能を統御する自律神経に影響を与える要因も挙げられています。
 
花粉症の予防としては、花粉に接するのをできるだけ回避することが重要です。
 
すべての花粉を遮断できるわけではありませんが、マスク着用は効果があると言われています。また、うがい、洗顔、着帽等も花粉の除去・回避のために行うほうがよいでしょう。
 
花粉症の診断は、鼻の粘膜の目視や血液中にある花粉の抗体を確認する等の方法で行われます。
 
花粉症の治療は、耳鼻咽喉科、眼科、内科、小児科で受けることができます。
 
治療内容としては、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤等の薬の服用、鼻の粘膜の一部除去や鼻の粘膜へのレーザー照射等の手術、減感作療法(アレルゲンへの抵抗力を獲得するために、薄めた抗原エキスを少しづつ注射する)があります。
 
また舌の下に、抗原エキスをいれる舌下免疫療法という根治を目指す治療法について臨床試験が行われています。
 
 

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花粉症による目の症状とは

 
眼の充血やかゆみは結膜の炎症(結膜炎)による場合が多いです。結膜炎の原因は、アレルギー性、細菌性、そしてウイルス性に分けられます。
 
アレルギー性結膜炎はアレルゲンにふれることによって生じて、かゆみが強く目やには少ないのが特徴です。
 
一方、黄色ブドウ球菌などの感染による細菌性結膜炎は充血や浮腫が認められて、かゆみや黄色の膿のような目やにを伴います。細菌性結膜炎のうち、黄色ブドウ球菌属や連鎖球菌属に感染して炎症を起こしている症状を、ものもらい(麦粒腫)といいます。
 
眼に関するアレルギー性疾患は発症頻度も高く、その有病率は全人口の15~20%程度とも推測されています。
 
特にスギ花粉をアレルゲンとするアレルギー性結膜炎すなわち「花粉症」は、春先を代表する季節性アレルギー性結膜炎で、いわば「国民病」とも言われる疾患の一つです。
 
季節性アレルギーであれば、その発症時期より比較的容易に診断が可能ですが、ハウスダストなどをアレルゲンとする通年性アレルギーでは、発症の時期も様々ですので、診断が困難な場合もあります。
 
このような際には十分な問診や診察に加えて、眼局所におけるアレルギー反応の証明が重要となります。
 
また治療では重症度に応じた治療法の選択が求められます。
 
そのためには薬剤の種類と特徴を知って、症状や臨床像に合わせた薬剤の選択が必要です。季節性アレルギーで「花粉症」の様に発症時期が予測可能な場合は、発症時期より早期に治療を開始する初期療法も有用です。
 
 

花粉症の目薬:それぞれどんな効果がある?

 
アレルギー性結膜疾患の治療に用いる点眼薬としては「抗アレルギー点眼薬」「ステロイド点鼻薬」「免疫抑制点眼薬」があります。
抗アレルギー点眼薬には、メディエーター遊離抑制作用があるものとヒスタミンH1受容体拮抗作用がある点眼薬に大別されます。
 
メディエーター遊離抑制薬は、主にマスト細胞の「ヒスタミン遊離」など脱顆粒の阻害、プロスタグランジン、ロイコトリエンなどケミカルメディエーター(化学伝達物質)の産生を抑制することでⅠ型アレルギー反応の即時相反応を軽減し、また炎症細胞の結膜局所への浸潤を抑制することで遅発相の反応も軽減します。
 
一方、ヒスタミンH1受容体拮抗薬は、マスト細胞から脱顆粒で放出されたヒスタミンがそのH1受容体と結合することを阻害し、眼のかゆみや結膜充血を抑制します。
 
ヒスタミンH1拮抗薬の方が比較的効果が高く、速効性が期待できますが、眠気などの副作用が多少、強めに出ますので状況によって使い分ける必要があります。
眼科で一般的に処方される点眼薬は以下のとおりです。
 
 

    
種類薬剤名点眼回数抗ヒスタミン作用
メディエータークロモグリク酸ナトリウム1日4回
遊離抑制薬アンレキサノクス1日4回
遊離抑制薬ペミロラストカリウム1日2回
遊離抑制薬トラニラスト1日4回
遊離抑制薬イブジラスト1日4回
遊離抑制薬アシタザノラスト水和物1日4回
ヒスタミンH1ケトチフェンフマル酸塩1日4回
拮抗薬レボカバスチン塩酸塩1日4回
拮抗薬オロパタジン塩酸塩1日4回
拮抗薬エピナスチン塩酸塩1日4回

 
 

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花粉症の目薬 :市販薬について考察

 
市販薬についても一部のアレルギー用点眼薬は医療用から市販薬にスイッチされており、治療の考え方は同じです。
 
・花粉やハウスダストなどによるアレルギーが疑われる場合は、抗アレルギー薬を配合したアレルギー用点眼薬を用います。
 
・細菌感染が疑われる場合にはサルファ剤を配合した抗菌性点眼薬を用います。
 
・結膜炎がなく、原因が明確でないかゆみに対しては抗ヒスタミン薬、消炎・収れん薬、あるいはNSAIDsを配合、充血がある場合のみ充血除去薬も配合した一般点眼薬を使用します。
 
・激しいかゆみを生じる場合など、軽度でない結膜炎や眼球結膜下の深部血管に起こった毛様充血は適応となりません。
 
・目やにが少なく、さらっとした涙を多く伴い、かゆみを伴わず、耳前リンパ節の腫れや圧痛がある場合はウイルス性結膜炎を疑い、市販薬では対応できません。
 
以下は目のかゆみ、炎症用の一般点眼薬、アレルギー用点眼薬の分類と成分をまとめた表です。
 
 

種類分類成分
一般点眼薬消炎・収れん成分・ε-アミノカプロン酸 (3類)
一般点眼薬消炎・収れん成分・アラントイン(3類)
一般点眼薬消炎・収れん成分・ベルベリン(3類)
一般点眼薬消炎・収れん成分・アズレンスルホン酸ナトリウム(3類)
一般点眼薬消炎・収れん成分・グリチルリチン酸二カリウム(3類)
一般点眼薬消炎・収れん成分・硫酸亜鉛(3類)
一般点眼薬消炎・収れん成分・リゾチーム塩酸塩(3類)
一般点眼薬NSAIDsプラノプロフェン(1類)
一般点眼薬抗ヒスタミン成分ジフェンヒドラミン塩酸塩(2類)
一般点眼薬抗ヒスタミン成分クロルフェニラミンマレイン酸塩(2類)
アレルギー用点眼薬抗アレルギー成分クロモグリク酸ナトリウム(2類)
アレルギー用点眼薬抗アレルギー成分ケトチフェンフマル酸塩(1類)

 
上表の各分類についての補足説明は以下となります。
 

  • ・消炎、収れん成分
  • ヒスタミンなどの起炎物質遊離抑制および被膜形成などの角膜上皮再生により、損傷治癒促進・収れん作用を示して炎症を抑制します。リゾチームは卵白アレルギーに注意が必要です。
     

  • ・NSAIDs
  • PG生成抑制作用などにより、炎症の原因物質の生成を抑制し炎症症状を抑えます。妊産婦、授乳婦、および7歳未満の小児には禁忌となります。
     

  • ・抗ヒスタミン成分
  • ヒスタミンH1受容体を阻害することにより、炎症細胞の遊走・集積やサイトカインの産生を抑え、目のかゆみ(炎症)などのアレルギー症状を鎮めます。
     
    中枢神経抑制作用および抗コリン作用は、ジフェンヒドラミン塩酸塩がクロルフェニラミンマレイン酸塩より強いです。閉塞隅角緑内障には慎重投与が必要です。
     

  • ・抗アレルギー成分
  • ヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑え、種々メディエーターが誘発するアレルギー症状(目の充血、かゆみ、涙目など)を緩和させます。

 
2日間の使用により症状は約70%緩和、効果が現れた際、2週間使用しても良いが、効果が発現しなかった場合は使用を1週間までとします。
 
ケトチフェンは1歳未満の小児には禁忌、両成分ともに、点鼻薬を併用した場合、眠気が現れることがあるので乗り物や機械等の運転操作は禁忌です。
 
 

「花粉症の目薬」まとめ

 
花粉やハウスダストなどによるアレルギーが疑われる場合は、抗アレルギー薬を配合したアレルギー用点眼薬を用います。
 
ヒスタミンH1拮抗薬の点眼薬は速効性が期待できますが、眠気などの副作用を考慮して状況によって使い分けましょう。
 
 
<執筆者プロフィール>
佐藤 孝弘(さとう・たかひろ)
ヘルスケア関連企業にて、10年以上、研究開発業務に従事しています。
医学・薬学・健康・美容に関するライティングを中心に活動。TOEIC 910点
 
 

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◆スマイル眼科クリニックサイトの中で、花粉症について説明したページ・青葉台 眼科 スマイル眼科クリニック|花粉症については、花粉症の目薬による治療などがわかりやすく解説されています。
 
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